2015年10月1日木曜日

中村憲剛

運動会休みを利用して、川崎フロンターレ・中村憲剛選手のブログから転用です。

W杯ブラジル大会の最終登録メンバーが発表される2014年5月12日。
バスで移動する川崎フロンターレ選手達は車内のテレビでザッケローニ監督が発表する23人のメンバーに注目していました。
そこには、中村選手と大久保選手がいたのですが、テレビカメラは大久保選手では無く、中村選手が選ばれることを想定してレンズを向けていたのです。

ところが、ザックの読み上げた名前は「ナカムラ」ではなく、「オオクボ」。

カメラは残酷なまでに、アッサリと中村選手の撮影を中止して後部座席に座っている大久保選手へと向かいました。

選ばれて喜ぶ人がいる影には、選ばれずに絶望する者がいる。
あの夜、中村選手は眠れぬ時間を明け方まで過ごしたと言います。

人は窮地に陥った時にこそ、その人がもつ本当の人間力が垣間見えます。

感謝。

こんばんは。
みなさんご存知の通り、今回、ブラジルワールドカップで戦う日本代表23名から落選しました。
落選から1日経ち、いろんなことを考えました。当たり前のことですが、やっぱり自分にとってブラジルW杯というのはとてつもなく大きなウェイトを占めていたものだったみたいです。
昨日は朝4時まで眠れませんでした。
この4年、ここに入るためにいろいろと頑張ってきたんだなって。
そこに入れない、行けないって決まった時のあの喪失感は一生忘れられないと思います。
なので、これは怒られてしまうかもしれませんが、本当に一瞬、一瞬ですがどうでもよくなりました。ACLもリーグ戦も何もかも。
ただ、どんなに最高な日でも、どんなに最悪な日でも、必ず次の朝は来るわけで。
練習があったり、試合があったり、奥さんと話したり、子どもたちと話したりと日常に触れていきながら少しずつこの事実を消化していけるのかなと今は思っています。
たくさんの皆さんが、こんな俺の落選を悲しんでくれて、話題にしてくれたこと周りから聞きました。
J2から始まったプロサッカー人生、あれから12年経ち今年で34歳になるサッカー選手がここまで期待されたこと。サッカー選手してこれほど嬉しいことはありません。
改めて、その期待に感謝するのと同時に、その期待に応えられなかったことが本当に悔しいです。

今日、ACLの公式練習でボールを蹴ったら、その瞬間は落選したことを忘れていました。
ああ、サッカーって楽しいなって。サッカーって凄いなって。
だから、ボールがあれば、サッカーがあれば俺は前を向いていけると思っています。
今まで辿ってきた道は間違っていなかったと思うし、今までやってきたことに悔いは一切ないので。
そして本日、予備登録メンバーに選んでいただきました。
でも、呼ばれるということは、23人のメンバーに何らかのアクシデントがあるということです。
俺はそれを望みたくはない。でも過去の例を見ても何が起こるかわからないのがW杯です。だから、その時のためにしっかり準備をしておくのは登録メンバーに入った者の義務だと思います。
最後に、いつもどんな時も温かく見守ってくれるフロンターレのサポーターの皆さん、最後まで応援と後押し本当にありがとうございました。
楽しみにしてくれていたと思いますが、期待に応えられずすいませんでした。
ここまでもそうでしたが、これからもフロンターレの勝利の為に一生懸命頑張ります。
中村憲剛

0 件のコメント: